キーになるのは「断熱」

「ドイツの家は冬暖かく夏は涼しい、環境に良い」とよく言われますが、その理由をご存じですか?

筆者は移住して6年になりますが、確かにドイツの家は暖かいです。真冬は北海道や東北・信越地方の寒冷地と同じように、最低気温はマイナス10度以下で最高気温も氷点下になるのが当たり前ですが、室内は暑いぐらい暖かいため、窓を開けて頻繁に換気する人も多いほど。

環境の変化と異常気象により、ドイツでもここ5年ほどは30度以上を超える夏日が続くようになりました。湿気が少ないというのもありますが、それでも家が高断熱のため窓とサッシを閉めてさえいれば、冷房なしでも室内は涼しく快適に過ごせます。

一日中暖房をつけていても消すとすぐ寒くなり、室内でも厚着が必要な日本の家とは大違いですよね。最高気温がマイナスのドイツの家よりも、最低気温が0度以下になることが少ない東京の家の方が、なんと室温が15度以上も低いのです。それなのに冷暖房費はバカにならない・・・。悲しいですがこれが日本の家の現実です。

どうしてこのように差があるのでしょうか?

キーは断熱

ひとことで言えば、夏は涼しく冬は暖かい家を実現するために重要なのは「断熱」です。
断熱とは外気温の変化を遮断し、室内への影響を最低限にするために、壁や屋根などに施す建築技術です。具体的には外壁や内壁、床下、屋根に「断熱材」を入れますが、この断熱材を適切にどれくらい厚く入れるかによって、夏は外の暑さを室内に伝えにくく、冬は暖かい室温を長くキープできる家になるのです。

高断熱な家はエコになる!

もうお分かりだと思いますが、家が高断熱であればあるほど、「夏は外の暑さを遮断し涼しく、冬は室内の熱を長く保つ暖かい家」になるので、まったく断熱を施していない家や低断熱の家よりも、はるかに冷暖房の使用を抑える事ができます。毎月の冷暖房にかかる費用も少なくなり、また電気・ガス・オイルの使用量が減るため、結果的に省エネにつながる、環境に良いエコ住宅となるのです。